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認知症の父の財産を管理したい(成年後見人になるには?・後見人、保佐人、補助人の資格)

 

成年後見人(保佐人・補助人)になるのに特別な資格は必要ありませんし、テストもありません。

成年後見人は、認知症や精神障害を患った方の財産を管理したり、身上監護事務(介護サービス契約、ヘルパーさんの手配、入院手続きなど)による身の回りの世話をすることが目的なので、普通にキチンとこれらができる方であれば基本的には誰でもよく、ご本人の家族や親族が後見人等になることが一番自然ではないでしょうか。

とはいっても、人の財産を管理をするわけですから、法律上の欠格事由に該当する人は後見人にはなれません。

 

成年後見人(保佐人・補助人)になれない人(欠格事由)

(1) 未成年者
(2) 成年後見人等を解任された人
(3) 破産者で復権していない人
(4) 本人に対して訴訟をしたことがある人,その配偶者または親子
(5) 行方不明である人

では、普通に財産管理と身上監護ができて、欠格事由に該当しない人であれば後見人等になれるのでしょうか?

 

誰が成年後見人(保佐人・補助人)になるのかを決めるのは家庭裁判所に権限があります。

上記の答えはNOです。
いくら普通に財産管理と身上監護ができて、欠格事由に該当しない人であっても、

  • 親族間に争いがあったり、
  • 家族や親族、身寄りがまったくいなかったり、
  • ご本人の財産を兄弟が搾取している疑いがあったり、
  • 保有しているアパートを売却しなければならなかったり(賃借人との契約解除も必要)、
  • 相続手続きが必要であったり、
  • ご本人が子どもから虐待を受けていたり、etc

後見開始の申立てを行う背景には個々の様々な事情があり、必ずしも、家族や親族が後見人になることが適切なケースばかりでなく、第三者が後見人になった方が良いケースもあるからです。

後見開始の申立てをする際、申立書には成年後見人等の候補者を記入する欄があるのですが、ここに記載された候補者について、家庭裁判所は適任であるかどうかを審理します。

その結果、この候補者が後見人になることがふさわしくないと判断した場合は、他の人を探すことになり、ご本人が必要とする支援の内容などによっては、全くの第三者である司法書士や弁護士、社会福祉士等の専門職や、法律または福祉に関する法人などを成年後見人等に選任することがあります。
※複数の後見人を選任したり、成年後見監督人を別途選任するケースもあります。

なお、成年後見人等にだれが選任されたかについて、不服の申立てはできません。