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「身上監護」後見人の仕事は財産管理だけではありません

 

身上監護は後見人の重要な仕事です。

身上監護とは、本人の精神・身体の状態や生活の状況全般を把握し、本人の思いを尊重しながら、本人がその人らしい生活を送ることができるように、生活の質に配慮し、医療・介護・福祉等の生活全般の手配や契約を行うことです。

 

ご本人の意思を尊重し、最善の利益を考える。

後見人は、自身の価値観や常識にとらわれるのではなく、ご本人がどのように暮らしていきたいと思っているのか、何をして欲しいと望んでいるのかということを受け止め、「ご本人にとって最善の利益」とは何かを考えて身上監護の方針を決めなければなりません。

特に身上監護の場面では、後見人はご本人の生活を「管理」するのではなく、「支援」するという存在であり、本人の気持ちや利益を代弁する役割を担っていることを意識しておく必要があります。

なので、身上監護に関する具体的な決定は、できる限りご本人の同意を得て行うように努めるべきです。

 

ご本人の意思の尊重と保護のバランスが大事。

ただし、ご本人の意思を尊重するといっても、ご本人にとって必要な対応をせず、ご本人が同意しないことを理由に、ご本人の生命や身体、生活の安全にかかわるような状態を放置するようなことがあってはならず、ご本人の生命や身体を護るという義務を果たすことが後見人の重要な役割であることはいうまでもありません。

つまり、後見人には、ご本人の保護とご本人の意思の尊重とのバランスをとりながら活動していくことが求められているのです。