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ご本人(被後見人)の医療や入院① ~後見人の医療同意~

カテゴリー : 親が認知症のとき

 

医療は生命や身体にかかわる重大な事柄です。

どのような医療を受けたいか、あるいは受けたくないかということについては、人それぞれに考え方が異なり、個人的な性格の強い事柄です。

従い、後見人がご本人の医療行為に関わる際は、ご本人にとって最善の利益を考え、慎重な対応が求められます。

 

後見人と医療行為の同意

医療機関(病院・医師・看護士)は医療行為について十分な説明をした上で、ご本人の患者本人の同意を得なければならないため、ご本人に対する医療行為について、後見人に同意を求めてくることは少なくありません。

本来、家族にも法律上の権限は無いとも考えられるのですが、本人に同意能力が無い場合は、慣習上、家族が本人の代わりに同意をしていることが多いです。

そのため、家族がいない場合には、後見人に同意を求めてくるのです。

後見人には医療行為の同意権はありませんので、同意を求められた際には、その旨を伝え、理解を求めることになります。

しかし、誰も同意をしないことによって、ご本人に必要な医療を受けることができないという事態になることもあり、身上配慮義務を負う後見人としては、非常に悩ましい問題です。