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成年後見人による契約の取消し

カテゴリー : 「財産」を狙う人がいる

 

成年後見人は、被後見人が行った法律行為が不利益なものだと判断したら、その行為を取消すことができます。

これは、「悪徳業者に騙された場合」とか、そういう話しではなく、通常の契約行為であっても取消すことができるのです。

例えば、
「ご本人がデパートで羽毛布団を買ったのだが、自宅には半年前に買ったばかりの羽毛布団がある(綺麗でまだ十分使える)。布団は2組もいらないのだが・・・。」

「ご本人がテレビショッピングで地方の名水を定期購入したのだが、そんなにたくさんの水を使用する(飲む)予定はなく、はっきりいっていらない・・・・。」

といったケースです。

どちらも物は確かで、値段もぼったくりではなく、売主さんには全く非が無い取引であっても、成年後見人はこの契約を取消すことができるのです。

ただし、何でもかんでも取り消すことが認められてしまうと、取引の相手方はたまったもんじゃありません。

また、ご本人の自己決定権を尊重するためにも、身の回りのちょっとしたことや、何を食べるかなど、ご本人にとってそんなに不利益にならないことくらい(後見人にとっては不要と思っても)、そのままにしておいても良いという考えもあります。

従いまして、
たとえ成年後見人であっても、ご本人(被後見人)の行った、「日用品の購入その他日常生活に関する行為」については、取消権が認められていません。